JA:Government policy and OSM
2013年11月に、GoogleMapsがグッドデザイン賞で大賞受賞内定していたが、
政府が同意しなかったため、特別賞になったという話題がありました。
この時は、紛争地域の国境等の、各国政府による地名等が 食い違う地物に対する表現について、 日本国政府が要求する内容ではない場合がある、ことで 推奨されないような意見がついた、と報道されています。
地図配信ソフトの取り組み
地図タイル配信ソフトウエアTileManでは、 次のように取り組んでいます。
OSMを背景地図として情報システム等を運用する利用者は、 TileManを使用して、自分自身のアプリケーションの背景地図の タイルをOSMを用いて配信できる。
この時、大規模な利用を行う利用者は、
- .tile.openstreetmap.orgでの配信をそのまま
使うのではなく、利用者がTilex、mod_tile, mapnik等を利用して サーバを立てることが推奨される。
そうでない場合でも、利用者は、TileManを使うことができる。
- .tile.openstreetmap.orgでの配信を使いつつ、一部のタイルを
差し替えることができる。
これは、利用者が例えば、自治体や府省だったりして、その情報システムを 納品するシステム開発会社が利用するケースを考えてみてください。
自治体や各府省は、内閣官房等からの通知により、地名等の取り扱いに留意することが要求されているそうです。
そこで、片山さつき氏 ブログで指摘されているような問題や、利用者の意向によって 問題と思われるタイルを置き換えることが可能となっています。
TileManでは、参考として、置き換え用のLiancourt Rock/竹島の タイル画像データ[1]を添付しています。
https://github.com/osmfj/tileman/tree/master/data
ちょっとプログラムを変えれば、静的な置き換えタイルを用いず、 たとえば電子国土Webが配信する地図タイルで差し替えることも 可能です。 やや高度な技術知識(LUA、GIS)が要求されますが、 このようなシステムをつくる事業者ならば問題ないでしょう。
カナダ在住の中国人のOSM利活用者が、同様に中国とインド等の国境紛争地帯についての タイル配信問題でこまっていて、本ソリューションについて、大いに興味をもっていました。 昨年のSotM13で講演したところ、このような話が有りました。
OpenStreetMap の編集合戦についてのルール等
OpenStreetMapの活動たる地理情報データベースの整備では 編集合戦等が有る場合があります。 OpenStreetMap FounationのDWGやLegal WGで、いろいろ ポリシーが議論されています。(*5)(*6)
日本国政府が各府省や自治体等に通知したこととしては、 電子地図を背景地図として利用するときに、その表記がどうなっているか、 を調整して、それぞれの方針にしたがったレンダリングや配信をしてもらえば いいので、マッパーの活動に対しては関係ない、です。 従って、切り離して考えたいと思います。
OpenStreetMap Japanホームページ及びOSMFJの配信するタイル
OpenStreetMap Japanホームページ及びOSMFJの配信するタイルについては、現在、TileManを使っていて、サンプルの竹島のタイル画像も サーバにインストールされています。
日本国内のタイルマップの利用者に対しては地図タイル配信で、 竹島のタイルについて、日本語表記を行う動作をさせています。
DBからストレートにレンダリングされる結果をマッパーとして確認したい場合は 他のレンダリング配信を利用されるといいでしょう。
利用者ガイドライン
重ねて言いますが、OSMFJのタイルサーバの配信は、 各府省、自治体の システムで利用することを推奨するものではありません。 (ガイドラインの整備は、まだできてないです)
納入や運用する事業者等が、適切にシステム構成して、OSMの利用にあたって 利用者の方針等に適合するようにしてもらえればと思います。
具体的には、VMをひとつ用意し、LinuxとTileManを導入して、
竹島タイルをデータ領域に展開します。サーバ設定は、試験のためならば
プロキシーとして使う用のTileManサンプル設定を使うといいでしょう。
背景地図としてOSMを使うシステムは、TileManの導入されたサーバを タイルサーバとして指定します。
すると、竹島について不都合の少ない表示になって、府省や自治体への 納入について、課題が減ることでしょう。
OSMFJ Tileサーバへのアクセス方法
`http(s)://tile.openstreetmap.jp/{zoom}/{x}/{y}.png`
仕様は、*.tile.openstreetmap.org を使う時と同じ。WordPressやDrupalなどで使うときに、URLを置き換えることでOK. LeafLet.jsやOpenLayersでの利用がおすすめ。 OSM Japanサイトの開発用VMの再現プログラムは 同様のサイトを実現するときの参考になる。