JA:Offset list
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マッピングソースの精度とズレの要因に関する考察
GPSログ(GPSトレース)
- 一般的なホビーユースの機種では5m程度の誤差は当たり前に発生するものと考えておくべき。
- 同時に複数のロガーでログを採ることで、そのひとつ、あるいは中間あたりに正しい経路が見えてくることが多い。
- 同一経路で何回も取得すると、より正確さが増すことが多い。
- 単一のロガーの位置精度を上げる手段としてはアンテナの設置や準天頂衛星対応機種の利用が挙げられる。
- 誤差はあるものの、リアルタイムの情報である点で、我々が普通に利用できる範囲で絶対的な位置(に近い位置)を取得したい場合に有効な手段である。
Bing画像
- 撮影年月が古いもの(例えば2006年以前)は地物の状態の変化や位置精度(ズレ)に注意した方が良い場合が多い。
- 画像はたいていの場合接地面での位置合わせは行われている(簡易オルソ)が、撮影方向や高度差によるゆがみは補正(本来のオルソ化)されていないので後者についてはマッパーが意識して補正する必要がある。
- 補正手法としては複数のGPSログを基準にする方法が推奨される。
- 特定のzoomレベルだけズレている場合もあるので注意が必要。
- 山間部・起伏のある土地・斜面などにある既存道路の位置はBingに重ねるとズレて見えることが多いがGPSログなどで検証するまでは安易にBingに合わせないこと。(特に不案内な地域でのマッピングには十分な注意が必要)
- 地物の形状、地物間の相対的な位置関係、道路のトポロジーなどをトレースするのに有効な手段である。
Yahoo/ALPS道路インポート
- ベースは1/25000(zoom=16程度?)なのでzoom=18や19では正確な位置からのズレが見られることが多い。
- またデータがやや古い(4~5年前)ので、存在しない道路があったり道路間の接続状態が古かったりすることがある。
- インポート後は他のマッピング手法と合せて検証、調整した方が良い。
森林(国土数値情報)
- 1/25000と同程度、もしくはよりおおざっぱな精度なので大きくズレている場合がある。
- また測量年月が古いものが多く、その後森林域が縮小していることが多い。
- Bingの位置が概ね正しく、撮影年月もさほど古くない場合はBingに合わせたほうが良い場合が多い。
震災による地殻移動
- 東北全域(Max5mほど)に及ぶ。
- ズレの幅と方向はまちまち。
- 被災後に撮影したBing画像であっても、位置合わせを間違って被災前の位置に配置されている場合があるので注意が必要。
- ある程度(例:1m)以下の小さな移動は急いで補正する必要性は少ない。
差異の例
帯広中央公園付近
- 調査用のトレース
- Bing画像撮影年月:2004/7-2006/5
- GPSログ:2012/4/27 同一機種2台でウェイポイントを打ちながら帯広中央公園の外周に沿って歩きながらトレースを取得。
Offset 調整前
既存の道路を基準にすると、Bing画像は西方向に道路半分(約3m)ほどズレている。 GPSログを基準にすると、同様にBing画像は西方向にズレている。
Offset 調整後
既存の道路を基準に、Bing画像を東側に動かすと、GPSログの位置も公園の外周にほぼ一致。
考察
- 既存の道路はおそらく正確
- Bingオフセット値を設定すべき(JOSMオフセット値:0.0000866; 0.0000062)
千歳駅南部緑地公園(兼地下駐車場)
- 調査用のトレース
- Bing画像撮影年月:2010/10
- GPSログ:2012/4/22 1台でウェイポイントを打ちながら公園の外周に沿って歩きながらトレースを取得。
調査用トレースのみを表示
一見、緑の国道と3筋ほど右下のtertialyがそれぞれ車線ひとつ分ほどズレているように見える。
付近のトレースを全て表示
スター状のトレースはロガー電源切り忘れで放置したものw 緑の国道は左車線を車で走って描いたものではないか。
拡大(zoom=19)
公園の外周および中央部の曲がった通路はBingとのズレなのか、周囲の建物からの反射による測位誤差なのか微妙。 灰色のunclassifiedはYahoo/ALPSインポート。他とのズレや、存在しない道路がある。
修正案(実際には未更新)
主にYahoo/ALPSインポートデータを微修正。 国道を複線化。 Bingがわずか(1m未満)にズレている可能性も否定できないが、既存の(Yahoo/ALPSインポート以外の)ウェイの位置修正は不要と思われる。
仙台市扇町
オフセット調整前
近辺の建物のソースは「DigitalGlobe,2011-03-12」,「Bing, 2008-08」及び「sourceなし」が混在。
オフセット調整後
Bing画像(震災前に撮影)トレースとGPSログに車1台分ほどのズレがある。震災の影響かどうかは震災前GPSログとの比較検証が必要と思われる。 DigitalGlobe(震災後に撮影)トレースもややズレているが、位置よりも解像度不足などにより形状・傾きが不正確とおもわれる JOSMオフセット値:0.0000422; 0.0000284
高崎駅西口
- 調査用のトレース
- Bing画像撮影年月:2004/06
- GPSログ:2012/5/16 1台でPOIウェイポイントを打ちながら歩道に沿って徒歩でトレースを取得。(調査用というよりPOI取得用。連番と対応付けながら店名などをメモ)
オフセット調整前
既存の道路とBing画像とで、東西方向に大きなズレがある。 西側の黒っぽい画像の撮影年月は2011/04。 zoom=17
周辺の全GPSトレースを表示。 ビル街なのでGPSトレースが乱れているが、おおよそ道路の幅におさまっている。
zoom=18
オフセット調整後
JOSMオフセット値:0.0009250; 0.0000136
オフセット適用範囲
西寄り、2011/04のBing画像周辺のトレースを全て表示させると明らかなズレは見られない。 おそらく白っぽい2004/06の画像範囲だけにオフセットを適用すれば良い。
大分県宇目市小野市
- Bing画像撮影年月:2010/03
- 中央を流れる河川を両側から斜面が挟む山間部
zoom=18
画像左下から斜め右上に走る緑の国道(Yahoo/ALPSインポート)は、中央部の橋を渡ったあたりから画像がGPSトレースより左側にズレている。 画像の撮影方向(南東から?)と高度差から道路位置が左(西)側にゆがんだものと思われる。 GPSログは検証にはやや少ないが、状況的に既存の道路やGPSログでなく、Bingの方がゆがんでいると考えるべき。 従って既存の道路位置を動かすべきではない。 最上部やや右寄りのスーパーマーケットの建物の形状が右(東)側にズレている。
zoom=19
上述のズレているスーパーマーケットの位置が、こちらでは合っている。 つまりzoom=19の画像はzoom=18の画像位置とズレており、現在このスーパーマーケットが描かれている位置は誤り。zoom=18の位置が正しい。 最終的に、このエリアでのオフセット値の設定は不要とおもわれる。 zoom=19の画像はオフセット値を設定するより、必要に応じて形状のトレースのみに使うべき。